世界遺産の絶景 大牟田市三池港の「光の航路」
全国的に有名な福岡県 宮地嶽神社の「光の道」ですが、福岡にはもう一つ光の道があるんです。
その名も「光の航路」。福岡県大牟田市で見る事の出来る絶景です。
世界文化遺産の三池港
「光の航路」は、世界文化遺産の三池港を見渡せる三池港展望所から見ることが出来ます。
ここでは、先ず世界文化遺産の三池港を掘り下げてみましょう。
三池港を有する有明海は、遠浅で干満の潮位差が最大5.5mと大きく、干潮時には沖あい数kmにわたり干潟が出現する所もあります。
そのため大型船の来航が難しく、当時の日本経済を支えていた三池炭の搬出は大牟田川河口から小型運搬船と艀により、対岸の長崎県島原半島南端の口之津港まで約70kmを海上運送し、ここで積み替え人夫の手で大型船に積み込んでいました。
この課題を解決するため大型船に直積みできる港を大牟田に構築することになったのです。
明治35年5月着工、同年11月3日、潮止めのための堤防構築工事から開始、明治37年5月に防波堤工事完成、明治38年に閘門工事開始、明治41年3月末に渠内に入水して竣工しました。
4月1日、新港は「三池港」と命名され、6日には勅令第76号により開港場に指定されました。
三池港最大の特徴 閘門
三池港の大きな特徴の1つに閘門があります。
閘門は、船渠内の水位を干潮時でも8.5m以上に保つため内港との間に設けられた水門です。
「光の航路」とはこの水門に真っすぐに沈む夕日を表現したものになります。
この閘門には、船渠側に観音開きとなる2枚の鋼鉄製の門扉がついています。
三池港周辺の歴史的建造物
この三池港完成に関連して、倉庫や貯炭場が整備され、明治41年長崎税関三池税関支署や三井港倶楽部などといった施設が建設されました。
三池炭鉱専用積み出し港である三池港に設置された税関は、明治期の洋風建築としての風貌を残し、三池港の歴史・港湾機能を考える上でも重要な施設であると同時に、三池港繁栄の歴史の象徴であり、三池港の景観の一部として不可欠な建物です。
現在も当時と同じ場所に残されており、当時の景観を現代に伝えてくれています。
團琢磨の先見の目
この一大事業は團琢磨(三井鉱山合名会社専務理事)によって進められました。
その團琢磨は、三池港築港に際し以下のように述べていますよ。
「石炭山の永久などという事はありはせぬ。
無くなると今この人たちが市となっているのがまた野になってしまう。
これはどうも何か(住民の)救済の法を考えて置かぬと実に始末につかぬことになるというところから、自分は一層この築港について集中した。
築港をやれば、築港のためにそこにまた産業を起こすことができる。
石炭が無くなっても他処の石炭を持ってきて事業をしてもよろしい。
(港があれば)その土地が一の都会になるから、都市として“メンテーン”(維持)するについて築港をしておけば、何年もつかしれぬけれども、いくらか百年の基礎になる」(資料抜粋)
この言葉からわかるように、今も現役で稼動する三池港は百年の礎を考えた事業だったんですね。
現在では少し元気のない大牟田市ではありますが、先人の偉業に習い、もう一度当時のような繁栄を目指していきたいものです。
さて、そんな大牟田市では只今、世界文化遺産の三池港を見渡せる三池港展望所の公開時間を1時間延長し、午後6時までとしています。
さらに市観光おもてなし課では、展望所にハート形のボードや写真共有アプリ「インスタグラム」風のボードを用意していて、「光の航路」の普及に余念がありません。
世界文化遺産の絶景 「光の航路」が見られるのは11月と1月だけ!
福岡県大牟田市の三池港で11月と1月の時季は夕方になると、港の先端から、水門を開閉して水位を調整する閘門を通り、有明海に沈む夕日が、展望所までほぼ一直線に伸びる「光の航路」。
世界文化遺産とともに見ることのできる光の道は、ここ大牟田の「光の航路」だけです。
三池港開港当時に思いを馳せながらゆっくりとした時間を過ごしてみませんか。
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